禁酒 禁煙に多大なご神徳
虎ノ門 金刀比羅宮は関東の名社のひとつで、
「金毘羅(こんぴら)さん」と呼び親しまれています。
万治3年(1660年)、讃岐丸亀藩主の京極高知が、領内にある金刀比羅大権現の分霊を三田の藩邸におまつりしたものを、藩邸が現在の金刀比羅宮の地に移転するのとともに遷座されたのが始まりです。
江戸時代は毎月10日に一般の人々を邸内に入れ、参拝することが許されていました。
霊験あらたかで、関東大震災には、金刀比羅宮の一角だけが焼失を免れたため、人々からの信仰はさらに高まったといいます。
昔から金毘羅さんは、航海安全、交通安全の神として信仰されてきました。
それ以上に禁酒禁煙の神さまとしても根強い信仰があります。
また、神紋が(金)であるところから、お金がたまる商売繁盛の神さまとして崇敬されています。
戦前まで境内には「御神酒(おみき)」と書いた紙を貼った一合瓶を三宝に乗せて売っていました。
禁酒の祈願をする人は、その御神酒を切火で清めて神前に奉納していました。
戦後のアルコール中毒者の増加は、博打を断つ「押手の誓」とともに、
金刀比羅宮だけにある神事として人々の関心が高く、祈願者は増加していったといいます。

境内にある武主毘神社(むすびじんじゃ)は縁結びの神さまで、
かつては神社の格子に折り紙を結びつけて祈る習慣がありました。
1月の初こんぴらには出社式が行われます。
縁日は毎月10日で、10月10日には大祭が行われます。

昭和20年の東京大空襲で灰となってしまった金刀比羅宮は、
昭和27年に幣殿・拝殿が新しく再建され、昭和58年には壮大な本殿が再興されました。

金刀比羅宮の百度石